ERP導入プロジェクトについて思うことを書いてみる

システム開発は、大きく分けるとカスタム開発とパッケージ導入があります。

カスタム開発というのは、その名の通り、お客様からの要件に基づいて、0からシステムを開発していきます。

それに対し、パッケージ導入というのは、すでに製品として売られているソフトウェアでお客様の要件に沿うシステムを開発していくものです。パッケージの有名どころとしては、SAPやOracleERPが世界的にも有名で、多くの企業の基幹システムで使われています。

今回は、パッケージ導入の中でもERPの導入について、ご紹介したいと思います。

ERP導入はカスタムよりも簡単?

ERPはすでに完成されているソフトウェアですので、一見0から作り上げていくカスタム開発に比べると比較的簡単のように思えます。

しかしながら、一筋縄ではいきません。

その理由は、以下の3つが挙げられます。

  1. 日本企業の多くは自分たちの業務の流れを変えたがらない
  2. 基幹システムであるがゆえの厳しさ
  3. 導入を担当するベンダーは製品ベンダーとお客さんの板挟みになる

それぞれ、具体的に説明していきます。

まず1点目についてですが、ERPは一般的な業務フローに基づいてすでにシステムが完成されています。有名なSAPやOracleの製品開発は海外ですので、海外の企業の業務フローに基づいて製品は作られています。

パッケージを導入する場合、海外では、システムに基づいて業務フローを変えていこうとするのに対し、日本企業は自分たちの業務に合わせてパッケージを導入しようとします。

そのため、製品で巻き取れない業務はカスタム開発で作りあげることになります。日本で、ERP導入となると、ERP+カスタム開発ということになり、純粋にパッケージだけ導入するということはほぼないと言っても良いでしょう。

ですから、結局のところカスタム開発も実施する上、ERP製品特有の制約事項も多く、システム開発が難航することが多いです。

2点目については、ERPの多くは企業の基幹システムを作るために導入されます。

基幹システムというのは、企業活動においてなくてはならないシステムです。例えば、会計や購買管理や受注管理といったものです。

つまり、システム導入後に、障害が発生した場合、企業の経営活動に支障がでるシステムばかりです。

そのため、お客様から品質の高さを求められます。どんなシステムでも品質はとても大切ですが、基幹システムの場合、さらにその要求レベルが高いです。

ですから、導入プロジェクトはタフなプロジェクトになりがちです。

3点目について、ERPの導入自体は、SIerと呼ばれるIT企業が担当します。例えば、NTTデータ日本IBMアクセンチュアといった企業です。

しかしながら、製品を持っているのはSAPやOracleといった会社ですから、SIerは製品自体に不具合があったり、機能を修正したいといっても、どうすることもできません。

お客様からどんなに詰められても、自分たちでは製品の仕様だからどうしようもありませんと平謝りし、別の対応をするといったことが多いのです。

製品ベンダーに問い合わせても製品仕様ですと言われ、お客さんからは何とかしろと言われ、どうしようもないといった状況になりがちです。

以上のことからパッケージ導入は簡単なものでもありません。かといってカスタムの方が自由にできるから簡単というわけではありません。

ERPはまだまだ堅調に成長する

2000年代に爆発的にERPが普及し、今では多くの会社でERPを導入しています。

もしかしたらもうERPの導入はないんじゃないかと思う方もいらっしゃると思いますが、ERPはどんどん進化していますし、自社サーバー上でERPを動かすことへのSAPやOracleのサポート終了にも重なって、今まで、自社サーバー上で動かしてきたERPクラウド上に移行するという動きがより活発になっていきます。

また、ERPは企業活動におけるなくてはならない業務を担っていることもあり、そういった業務は企業が存在し続ける限りなくなりはしないので、SIerにとっては堅調な商売だと思います。

最後に

ERP導入は大規模なプロジェクトになりがちですし、成果も見えやすいため、やりがいのある仕事だと思います。

しかしながら、企業活動を左右する可能性のあるシステムであるため、新しい技術を使うというよりはすでに信用性の高い技術を利用することが多いです。

また、すでに企業の基幹業務はシステムでやることが一般的ですので、システムによって実現されるサービス的にはあまり目新しいものはありません。

もし新しい技術を使って、新しいサービスを生み出したいと思っているのならば、ERP導入の仕事はあまりオススメできません。

企業の業務を変えたいという強い志があるならばERP導入の仕事に挑戦するのも良いのではないでしょうか。

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